新住協は、特定の営利団体からは独立した
開かれた民間の技術開発団体です。
新住協は、平成16年特定非営利活動法人として、技術を独り占めすることなく、お互いにわかちあうことで、住宅の供給に携わる専門家と、いい家の普及を望む市民とが協働して、より安価で高品質な誰でもがいい家を求められる社会環境づくりをめざして活動しています。
安全安心、快適健康、省エネ省資源、地球環境保全、地域の住文化、今さまざまな課題が問われています。
すべては技術の革新が推進の原動力になるものと確信しています。
活動目的
この法人は、良質な住宅の普及を望む市民と住宅供給に携わる研究者や技術者が協働して、各種木造工法住宅の技術研究に取り組み、誰でもが良質で安価な住宅が求められる社会環境を構築する事業を行い、それらの活動が社会的に、豊かな住文化の育成、地球環境の保全、住宅技術の振興及び地域経済の活性化に寄与することを目的とする。
新住協の活動
この法人は、良質な住宅の普及のために、住宅供給に携わる研究者や技術者が協働して、各種木造工法の技術研究に取り組み、誰でもが良質で安価な住宅が求められる社会環境を構築する事業を行い、それらの活動が社会的に豊かな住文化の育成、地球環境の保全、住宅技術の振興及び地域経済の活性化に寄与することを目的とする。
この法人は、上記目的に資するため、次の事業を行う。
- 木造住宅の高性能化に関する工法、建材、設備機器などの技術研究開発事業及び供給
- 高性能住宅に関する普及啓蒙活動事業
- 高性能住宅の技術研究開発、普及啓蒙に関する出版、発行事業
- 住宅の設計支援、コンサルタント事業
現場見学研修会や技術研修を定期的に開催し
技術の向上と共有を行っています。
総合研修会 新しいテーマは時の重点課題として鎌田先生を講師に広域研修会を開き取り組みます。
総合研修会以外にも定期的に関東支部による研修会を開催しており、日々切磋琢磨しながらより良い住宅づくりに挑んでおります。
暖房エネルギーを半分以下に削減する
Q1.0(キューワン)住宅
北海道の高断熱住宅の標準となる北方型住宅(次世代省エネ基準を満たす住宅でQ値が1.6W/㎡以下)は、北海道の一般的な、ストーブで部分暖房をする住宅に比べ、約2/3の灯油消費で全室暖房が可能になります。
本州の次世代省エネ住宅が、一般住宅に比べて、全室暖房をすると2倍の暖房エネルギーを消費するのに対し、はるかに厳しい基準です。
北海道の高断熱住宅の暖房エネルギーを、さらに半分以下にしようとすると、地域によって差はありますが、おおむねQ値=1.0前後になることから、Q1.0(キューワン)住宅と名づけました。
そして、こうした住宅を北海道に普及させようと、NPO法人 新木造住宅技術研究協議会(新住協)の会員と技術開発を行いながら、住宅をつくりはじめています。
「暖房エネルギーはどのようにして削減するか」
先ず、暖房エネルギー計算を知ろう
寒い部屋で布団にくるまって寝るとやがて暖かくなります。布団から逃げる熱と、人間が出す熱がバランスしているのです。部屋が寒いときは布団を厚くする必要があります。布団が薄いと逃げる熱のほうが多く、寒いので電気毛布などの暖房器を布団の中に入れて熱を補う必要があります。逆に、部屋がそんなに寒くないと、厚い布団では暑くなってしまいます。住宅の暖房もこれと同じです。
布団は住宅の断熱材であり、布団の中の空間は住宅の室内空間です。住宅の中で人間は熱を放出していますが、布団の中に比べて住宅空間は広いので、 断熱材をかなり厚くしても、それだけでは足りず暖房する必要があります。電気毛布ではなく、ストーブや温水ボイラーを使います。布団の中と大きく違う点は、住宅には窓があり、太陽熱が入ってくることです。また、住宅内で生活する我々は電気器具やガス器具を使い、それによって熱が放出されます。
外気温に比べて室内のほうが温度が高いと、住宅から熱が逃げます。温度差1℃のとき、床、壁、天井、窓から逃げる熱および隙間風や換気で逃げる熱の合計をQとすると、これに温度差を掛けた量が住宅から逃げる熱損失です。外気温が変動しますから、毎日の平均外気温と平均室内気温との差を冬期間全部足してQに掛けると、冬期間全体の熱損失になります。
一方で、住宅に供給される熱は、人間が出す熱や生活で使った電気・ガスで発生する熱と、窓から入ってくる太陽熱を加えたものです。これを冬期間全部で計算すればよいわけです。これをEとします。損失熱(Q×温度差)と供給熱(E)を比べると、寒冷地では損失のほうがずっと大きく、その差が必要な暖房エネルギーなのです。